公務員は安定した職業であるがゆえ、転職するか/しないかの判断では大いに悩むと思います。
今回は、公務員からの転職者が直面する5つの迷いについてまとめたいと思います。
1. 「転職が本当に正しい選択なのか?」という迷い
前述のとおり、公務員は安定した職業です。
その職業を捨てて転職することが正しい選択なのか?と考えない人はいないでしょう。
苦労して公務員試験を突破した、友達や知人に一目置いてもらえる、福利厚生が恵まれている…
一方、将来どうなるかが見えすぎる、給料が安いし副業もできない、上司と合わない…
辞めたくない気持ちと辞めたい気持ちの狭間で「転職が本当に正しい選択なのか?」と迷うことになります。
転職にあたって迷うポイントはいくらでも思いつきます。
したがって、全てを踏まえてどちらかに結論を出すことは困難です。
あなたにとって本当に重要なポイントに絞って考えてみることをお奨めします。
その上で、もし今の職場が嫌でしょうがないのであれば、転職に前向きになっても良いと思います。
今後、公務員生活は何十年と続きます。その何十年を嫌だと思って過ごすことは苦痛ですし、人生の無駄遣いです。
一方、今の職場に飽きただとか、職場自体は嫌ではないが待遇や仕事内容に不満があるといった場合は、少し冷静になるべきです。
「隣の芝生は青い」と思って転職をして、思い違いだったときの後悔は大きいです。
結論を言えば、正しい選択はありません。
どちらの選択をしたとしても、その選択を後悔しないための努力が必要です。
逆に言うと、それだけの努力をしようと思えるかどうかも判断の決め手になります。
2. 「転職してやっていけるか?」という不安
「転職してやっていけるか?」
という不安を払拭するためには、公務員としての自分の仕事ぶりを思い返してみてください。
自分は仕事ができると評価されていたでしょうか?
もし、評価されていたのであれば、転職先の選択を誤らなければ、民間企業に転職しても問題ない可能性が高いです。
むしろ、公務員は真面目な人が多いこともあり、今より高く評価されるケースも多いと思います。
仕事ができないと評価されていた場合は慎重に対応すべきです。
その場合は民間企業に移っても活躍できない可能性が高くなります。ならば、身分的に安定した公務員に残った方が良いかもしれません。
ただ、単純に自分の能力が公務員と合っていなかったケースも考えられます。
能力的に合っていない場所で過ごすことは不幸であり、基本的には適性ある場所に移った方が良いのですが、この場合はかなりのリスクを取ることになるので、第三者を入れて慎重に適性を評価すべきだと思います。
総じて言えば、公務員の方には公務員試験をパスしていることによる能力的な担保があったり、真面目な方が多かったりと、民間企業でも通用する可能性が高いと思います。
3. 転職のやり方が分からない
公務員からの転職は多くの場合「初めての転職」ですので、転職のやり方を全く知らないところからスタートすることになります。
したがって、転職エージェントが力強く導いてくれることを転職者の方も期待されると思います。
しかしながら、一般的な転職エージェントは公務員の転職に関わった経験が少なく、なかなか期待に応えてはもらえません。
つまり、公務員の転職においては「まな板の上の鯉」になるべきではありません。
転職活動をどう進めていくべきか自分なりに考えて、転職エージェントを上手に「使う」必要があります。
民間企業の方でも、転職エージェントの言うがままに転職活動を進めるのは危険ですが、公務員の場合は絶対に避けるべきです。
まずは、公務員転職ドットコムも含めて、公務員の転職情報に触れて、自分なりに考えをまとめてください。
4. 家族の心配や反対
公務員という安定した職を手放すことに対し、家族から心配されて反対されるケースも多いです。
「どのように配偶者を説得したら良いか?」と我々もよく質問されるのですが、不安を取り除く方向で配偶者の方を説得することは難しいです。
なぜなら、公務員を続けることよりも、リスクが大きい選択をしようとしていることは間違いないからです。
したがって、「リスクがない(小さい)」と説明するのではなく、転職することにリスクはあっても、より明るい未来につながっているとか、自分がその選択に賭けたい「想い」を伝えて、配偶者の方にも一緒に賭けてもらうことが重要です。
もちろん、転職して上手くいかなかったときのバックアッププランを説明することも大事だと思います。
転職エージェントとは、バックアッププランについても相談してみてください。
5. 同僚や同期への未練
公務員の職場環境は家族的なところもあり、同期や同僚とのつながりが強いため、人間関係を捨てることにためらうケースもあるかと思います。
しかし、当然ながら人間関係は仕事を辞めても続きますし、逆に言えばそれで切れてしまう人間関係であればその程度のものだと思います
あなた次第で今の人間関係を維持することは十分可能だと思います。
転職したいと言う気持ちがあるならば、まずは動いてみましょう。
迷って時間が過ぎるより、動いて選択肢を増やしましょう。
仮に内定をもらったとて、そこに必ず転職する必要はないのです。
転職活動をして、公務員としての良さを再認識できるケースもあるかもしれません。
それは、公務員人生を続けていく上で貴重な財産になると思います。