公務員の方の転職は多くの場合、はじめての転職であり、転職活動をどのように進めたら良いかが分からない方も多いと思います。
今回は、公務員から転職する際の具体のアクションを説明したいと思います。
1. 転職について知る
公務員から民間企業に転職すると、言うまでもなく、人生が大きく変わります。
まずは、公務員と民間企業の違いを把握し、転職によって人生がどのように変わるのかを想定しましょう。
また、転職をどのように進めれば良いのか、大きな流れを掴むことも大事です。
公務員転職ドットコムでは、様々なテーマについて記事や動画で説明していますので、ご覧いただければと思います。
また、転職経験者の話を聞いてイメージを膨らませることも有益です。
公務員転職ドットコムで公開している事例をご覧いただくほか、身近に転職をした方がいれば話を聞いてみると良いのではないでしょうか。
2. 職務経験の棚卸し&要素分解
続いて、ご自分の職務経歴の棚卸しを行います。
公務員として身に付けた業務経験から民間企業で生かせるものを探すため、どの部署で何をやったかはもちろん、自分がどのような立場でどのような仕事をしたのかを細かく整理し、その内容を分解します。
例えば、政策立案を行っていたのであれば、進め方の設計、論点整理、誰とどのような議論や調整を行ったのか等、アクションを細かく分解していき、そこで具体的に何をやったのか、どのような判断をしたのかを整理します。
この過程を経ることで、一見、民間企業とは異なる公務員の仕事ではあっても、民間企業で求められる業務遂行能力を身に付けたと説明することができるようになります。
3. 職務経験の言語化
2.で職務経験の棚卸し&要素分解をしましたが、これを転職候補先の担当者が分かるように伝える必要があります。
そもそも、民間企業の方は基本的に公務員の仕事がどのようなものか分かっていないことが多いですし、公務員に対する偏見(頭が固い、スピード感がないなど)があったりします。
したがって、2.で整理した内容が伝わるように言語化する必要があります。
また、特に重要なのは、上述の一般的に公務員に対する偏見が強そうなポイントでは、偏見を否定できるエピソードを事前に準備しておき、こちらから相手の偏見を積極的に否定しに行く必要があります。
そうすることで、民間企業の人が公務員に対して抱いている「我が社で問題なくやっていけるのだろうか?」という漠然とした不安感を払拭することができます。
このように整理した内容はいずれ職務経歴書や面接での受け答えに落とし込んでいきます。
4. 転職エージェントに登録
3.までが済むと、いよいよ転職先を探し応募をするステージに入ります。
自分で転職先を探し、企業のホームページからエントリーすることもできますが、基本的には転職エージェントに登録して、転職候補先を紹介してもらう形になると思います。
ここで注意が必要なのは、転職エージェントに頼りすぎず、自分なりの考え方をもって、転職エージェントを活用することです。
と言うのも、転職エージェントは一般的に公務員の転職を支援した経験がなく、公務員の仕事についても理解できていません。
したがって、転職エージェントに自分の職務経験を深く理解してもらった上で、適性ある転職候補先を幅広く紹介してもらえるようなケースは非常に稀です。
実際、公務員転職ドットコムへの相談でも「まともに相手をしてくれない」「無難な仕事しか紹介してもらえない」といった声をよく聞きます。
1.から3.を経た後であれば、ある程度自分なりの考え方を持てていると思いますので、転職エージェントの言いなりにならずに、自分で転職エージェントをコントロールする意識で臨んでください。
5. とりあえず、行動してみることも大事
さて、具体的なアクションについてイメージが持てたのではないかと思いますが、一方で「自分ひとりでできるのか?」「大変すぎて時間がかかりすぎる」などの感想を抱いた方も多いと思います。
公務員の転職は特殊なため、民間の方の転職と比べて、圧倒的に準備に時間と手間がかかります。
そのため、転職活動に対して腰が引けてしまったり、トライしてみたものの途中で挫折してしまったりというケースも多いと思います。
そこで提案したいのは、とりあえず行動してみることです。
具体的には、いったんどこでも良いので転職エージェントに登録し、言われるがままに転職活動をしてみてください。
その中で、具体的なイメージが湧き、1.~3.についての自分なりの考え方も自然にまとまってきますし、あるいは、いったん経験した上で考えてみると、よりスムーズに具体的に考えがまとまるはずです。
その上で、「とりあえず」の活動で仮に内定が出たとしてもその会社には行かないでください。
なぜなら、その会社は(あなたの適性を深く理解した上で選んだ会社ではないので)ベストの解でない可能性が高いからです。
少々ズルい方法ではあるのですが、既存の仕組みをうまくつかって転職活動を進めましょう。