【実名インタビュー③】東京都庁からJICAへ「世界の舞台で働く希望と覚悟を見つけた転職ストーリー」

福本 良太(ふくもと りょうた)さん

東京都庁を経て、JICAに転職。

2016年 東京都庁入職。

都立学校での事務を経験した後、公募で東京オリンピック・パラリンピック組織委員会に異動し、大会運営業務に従事。

テクノロジー関連の部署で、大会会場に設置するIT機器やネットワークのインストールスケジュール・工程管理などを担当。

その後、2023年にJICAに転職し、中南米地域を担当。

東京都庁で約8年間勤務し、教育・オリンピック・防災といった多様な業務を経験した福本さん。現在はJICA(国際協力機構)で中南米地域のODAプロジェクトに携わっています。やりたいことが見つからなかった新卒時代から、自身の原体験を深く見つめ直し、納得のいくキャリアを歩み出すまでの道のりを伺いました。

-本日はよろしくお願いいたします。福本さんが公務員でいらっしゃったのはいつからいつになりますか。
はい、新卒で2016年に入って、2023年の12月に辞めました。

-新卒で都庁に入庁されたとのことですが、公務員を志したきっかけはどのようなものでしたか。
正直なところ、絶対に公務員になりたいという強い動機があったわけではありませんでした。教育学部に在籍していましたが教員にはなることにはそこまで惹かれませんでした。
でも、教育分野には少し興味があったので、行政という立場から関われる公務員の仕事は良いなと思ったのが一つです。
もう一つは、2016年というのはちょうど東京オリンピックの準備が本格化していた時期で、都庁の職員がオリンピックの準備に関わっている様子がメディアで取り上げられていて、単純に「かっこいいな」と思って、自分もそのような仕事をしたいと思ったんです。

-そうなのですね。公務員で都庁以外にも受けたところはありますか。
はい、地元の神奈川県庁や霞が関の国家公務員も受けました。
でも最終的には、教育に関われる現場があることや、オリンピックで盛り上がっていたこともあって、都庁を選びました。

-都庁に入ってからは、どのような仕事を経験されましたか。
全部で3つの部署です。
最初の4年間は教育庁の現場で、都立高校の事務室に配属されました。希望したわけではありませんでしたが、教育系の部署に興味があったので納得感はありました。ただ、実際には「現場の最前線」で、下積みと言いますか思っていた以上に地道で基礎的な業務が多かったですね。

-次の部署はどこだったんですか。
2020年に東京オリンピック・パラリンピックの組織委員会に公募で異動しました。
もともとはオリンピックが終わるまでの半年の予定でしたが、コロナでオリンピックが1年延期になったので、最終的には1年半関わることになりました。
具体的には、テクノロジー関連の部署で、大会会場に設置するIT機器やネットワークのインストールスケジュール・工程管理などを担当していました。全くの未経験分野でしたが、やりがいが大きく、楽しい経験でした。

-やはりオリンピックが一番印象に残っている仕事ですか。
間違いなくオリンピック関連の仕事ですね。
国際的なイベントに関わる機会はそうそうないですし、多くの民間企業の方々と一緒に仕事をすることで、視野が広がりました。
組織委員会では、NTTやパナソニック、キャノンなどの大手企業から出向で来ている方々と協働し、プロジェクトの進行管理を任される中で、自分の成長を感じることができました。

-オリンピック終了後はどんな部署へ異動したのですか。
その後は、総務局の総合防災部に異動しました。
ここでは約2年3か月、防災施策の企画・実施、出向者を含めた部全体の人事業務などを担当していました。業務はかなりハードでしたが、やりがいも大きかったですね。むしろ、定時で上がれる仕事よりも、忙しい中でやり遂げる方が自分には合っていたと思います。

-その仕事が都庁での最後の仕事だったと思いますが、転職を考え始めたのはいつ頃でしたか。
最初に「外に出るのもあるかもしれない」と感じたのは、オリンピックの仕事を終えたタイミングでした。
私が所属していたテクノロジー部門には民間から出向してきた方が多く、彼らと仕事をする中で、自分も外の世界を見てみたいという気持ちが芽生えてきたんです。
ただ、その後に総合防災部で働き始めた頃は、仕事と家庭(子どもが生まれたばかりでした)の両立で精一杯で、転職について深く考える余裕はありませんでした。

-その後、本格的に転職活動に動き出したのはいつ頃でしたか。

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