
地方公務員の企業局での約20年の勤務を経て民間企業に転職した女性へのインタビューです。
2004年4月に地方公務員になり2024年4月に転職。
この方の企業局での幅広い経験は、民間企業でも活かせるものが多く、財務経理職としての転職に成功しています。
-本日はよろしくお願いします。公務員でいた期間はいつからいつになりますか。
2004年に公務員になり、2024年の3月で退職したので、ちょうど20年間になります。
-その頃はまだ就職氷河期でしたよね。
はい、ちょうど就職氷河期の最後の時代でした。公務員の採用もとても少ない時期でした。もう1年後だったら、だいぶ就職環境も違ったと思います。
-なぜ公務員を目指したのですか。
就職活動を本格的に始める段階で「やはり安定した仕事に就きたい」と考えて、公務員になりたいと思い立って目指しました。
それでも、大学時代は音楽系のサークルに所属していて、マスコミやテレビ業界を目指していた時期もありました。ただ、マスコミ系の就職活動は非常に早く始まるので、「マスコミ系の面接を受けながら公務員試験との両立は難しいな」と感じたんです。
加えて、父が国家公務員だったこともあって、身近な職業としても自然に意識していたと思います。
-その中で、都道府県庁の職員を選んだのはなぜですか。
父が国家公務員で転勤が多かったこともあり、自分は一つの地域に腰を据えて働きたいと考えていました。都道府県庁であれば地元に拠点を置いたまま、多様な分野での行政経験が積めるという点に魅力を感じました。
-最初はどんな仕事に就かれましたか。
最初の3年間は、学校での学校事務を担当し、現場に近いところで実務を経験しました。
-その後、交通系の企業局に異動されたんですね。
はい。学校事務のあとは交通系の企業局に移り、そこで17年間働きました。
その中で事務系の職員としては、経理、人事、広報、現場の運営など、一通りのことは経験したと言えるほど、本当に幅広い業務を経験しました。
公共交通というインフラを担っている一方で、民間企業と競争する側面もあり、営利性と公共性の両立を常に考える必要がありました。
-公務員でありながら民間企業に近い環境だったわけですね。
まさにそうです。交通という意味では民間の交通系企業とも競合しているので、サービスの質を上げて利用者に選んでもらう努力が必要です。
現場も持っている部署での仕事はとても楽しかったしやりがいもありました。
そうした環境の中で、予算策定や売上分析、現場との調整など、経営的な視点を持って働く経験を積むことができました。
-それは公務員でありながら、まさに民間企業と変わらない経験ですよね。
はい、今思うとまさにそうだったと思います。他の民間の交通企業とのやり取りや競争もあり、公務員の外の世界と自然と接点はありました。
-転職を考えるようになったのはいつ頃でしたか。